田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

民主党の小沢幹事長独裁に見える、党運営の危険性

 献金疑惑以外だと、その独善的な党運営に批判が集中しているように見える。
 しかし、これを鵜呑みにして良いのかと思う。
 これまでは、自民党の派閥政治を批判し続けてきた。派閥は良くない。小選挙区を基本とする選挙制度になって、派閥の影響力は以前ほどなくなってきた。自民党でさえ、政権政党で無くなった今、そのような状況なのだから、政権政党である民主党にあっては、とても党内で異論などを言えるような状況ではないだろう。
 派閥政治が良くないと批判してできあがったのが、現在のような党内における権力集中の構造である。


 これは前から発言していることだが、以前の自民党政権は、派閥を単位とした連立政権であったというのが私の認識である。最小単位が党になく、派閥にあるからこそ、派閥単位での権力闘争が繰り広げられ、それが時に批判も受けたが、時に党内民主主義を保障する良い機会でもあった。
 今、民主党は一様になって、まるで派閥など無いようにも見える。実はあるという話もあろうが、自民党政治における露骨な派閥主義は、現在の民主党においては影を潜めていることだろう。


 この様に考えていくと、現在のような権力集中型がいいのか、それとも派閥主義的な政治のあり方が良いのか、2つの選択肢から、よりよい権力システムを選択することは容易になる。
 私はどちらが良いかと問われれば、やはり派閥という同じ党の中にあっても、現在の党執行部のやり方に否定的な人たちも含めた集団が、党であって欲しいと思う。よって派閥を肯定する立場に立つ。
 今はまだ、民主党政権とは言っても、社民党も国民新党も連立した政権であるから、厳密には単独政権とは言えない。それでも民主党からは、小沢体制に異論が出てこないのは、党内権力が集中しているからである。
 はたしてこの様な党運営でいいのだろうか。


 今、民主党は、地方組織を中心に、除名、除名の嵐が吹き荒れている。地方組織における権力闘争にあって、勝ち組が負け組を粛正するために除名を武器として使い、その者を党外に追い出してしまおうとしているのだ。
 それは例えば、元衆議院議員と都議会議員だったり、前都議会議員公認候補と区議会議員のように、力関係の序列が微妙に崩れた地域で起きやすくなっている。次の選挙における公認争いにあって、衆議院の公認候補になれなかった者が除名されてしまうという構図である。
 記憶に新しいところでは、今年行われた衆院選挙においては、当時、民主党の参議院議員であった浅尾慶一氏が、衆院選挙に出ようとして公認されず、それでも離党して衆院選挙を戦おうとして、除名処分を受けてしまったようなケースである。
 この様な現象は、国政レベルでこそ報道されても、地方レベルでは大きく報道されていない。報道されていないだけで、実は全国、どこでもこのような除名、粛正の嵐が、民主党の地方組織に流行している。これがまだ小さな政党ならば、単なる党内事情であって私などが危惧すべき事ではないが、民主党は今や与党第1党の政権政党である。それにも関わらず、内部に批判勢力を抱えることができない器が小さな政党であることが、除名という粛正によって、証明されてしまった。この様な党内運営であれば、とてもより多くの人たちが関われる政権政党の体質でないことは明白である。わかりやすく言ってしまえば、党内での批判勢力が見えてこない公明党・共産党レベルの政党と同等である。とても自民党のような大きな器は持っていない。


 それもこれも私は小選挙区制が元凶だと考えている。小選挙区制が、権力の集中を容認してしまった。個人の政治的実力ではなく、党幹事長による権力の采配によって、人事が決まってしまう、このことから「独裁」とも言われてしまう党運営が行われているのだ。


 今の日本にあって、以前のような自民党政治とは決別すべきであって、現状にあっては決して自民党の復権を許すべきではないと思うが、取って代わった民主党の党運営がこの様な有様である。権力者とは、権力を持った途端に、近しい人たちから切っていくのである。それが今の民主党の地方組織で顕著に行われている。
 私がちょっと話を聞くだけでも、葛飾を見よ、市川を見よ、町田を見よ、なのである。どこも除名騒動を起こしているではないか。


 この様な大いに問題がある民主党ではあるが、たまたま「高速道路の無料化」という政策が一致することと、自民党の復権を許さないという強い決意から、外野的に支持しなければならないというのが、何とももどかしい。
 自民党がワーストで、民主党がセカンドワースト。だから、現状において私は民主党を選択するが、今望むべきは、理想的な第3極的政治勢力の出現である。その道のりは、まだ遠い。




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2010年01月04日