田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

ファッションに形式美を問う生きる古き日本人たち

2010.02.18 ZAKZAKより


 五輪の公式服装を着崩した腰パン・ルックと態度の悪さで大多数の日本国民から叱られてしまったスノーボード男子ハーフパイプの国母和宏(21、東海大)。猛烈なバッシングのなか本番に臨んだが、その腰パンについては公然と擁護する若者や著名人もいる。


 「あの毒舌で知られる(服飾評論家の)ピーコが、テレビで『(国母は)着崩し方がうまい。そもそも日本代表の衣装がダサすぎた』ってほめていた。会見で半ば謝罪を強制されて、『はぁ? なんで俺が?』って態度を露骨にしたのは大人げなかったけど、あの服装は全然気にする必要はないと思う」


 都内のスノーボード用品店スタッフは、国母騒動について同情的にこう話す。同様に、著名人の中にも国母擁護派、あるいは国母批判を批判する人たちはいる。


 国母騒動を取り上げた14日放送の情報番組「ジャーナる」(フジテレビ系)では、ニューズウィーク日本版編集長の竹田圭吾氏が「(誰かが注意すれば)別に服装くらいいいんじゃない?」とあっさり擁護し、スタジオ内は微妙な空気に包まれた。ソウル五輪のシンクロナイズドスイミング銅メダリストの小谷実可子氏が日本代表のドレスコード規定を提示して猛反論したが、これに対しても「そんなものを作ること自体がナンセンス」と一笑に付した。


 ネット界では元ライブドア社長の堀江貴文氏が“参戦”。自身のブログにこう書いた。


 《この程度で強制送還なんてあほかいな、って思うのだが原理主義者にはどうしても許せないことらしい》《高校球児とかじゃないんだからさ。そんなんで文句言うなよな。ていうかイジメでしょこれって(中略)朝青龍んときもそうだったけど、もっと温かい目で見守ろうよ。若い力をさ》


 国母と同世代の格闘家、山本“KID”徳郁はブログで《試合前にこんなバッシングしてどうすんだよ。(中略)自称評論家は気持ちのちっけえヤツらばっかだな。チ×コもちっけぇだろーな俺の拝ますしかねえのか》と怒りをあらわに。若者に人気のデュオ「wyolica」(ワイヨリカ)のギター、so-toも《オリンピック代表に対するリスペクトが少なすぎる(中略)実力で代表になった若者に失礼や》とブログに記した。


 擁護するのは若い世代だけではない。衆院議員の河野太郎氏はブログで《価値観は多様だし、多様であるべきだ。ルールで定められていないことについて、後から価値観を理由に、公の場で処分するのはいかがなものか》と疑問を呈した。タレント、演出家のテリー伊藤氏も15日の夕刊フジ「コラム狸の皮算用」で「自分の息子のファッションや態度は注意できないのに、なぜ他人のことになると『ふざけるな!』なんて抗議できるのか。国母のファッションは、逆に言えば自意識があるっていうこと。こういったヤツがとんでもない仕事をする」と書いた。


 少数ではあるが、“国母擁護派”は世代を問わず確実に存在するのだ。
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 擁護派か批判派かと問われれば、私の場合、擁護派になるのでしょうか。


 正直、この手の話題は、どうでもいい興味が無い分野なのですが、あまりにも世間で騒がれていますし、ホリエモンや河野太郎氏まで参戦しているようでは、私も何か言っておこうかと思ったぐらいの感覚です。


 国母氏にとって不運だったのは、彼が21歳という若すぎた年齢だったという理由もありましょう。
 仮に60、70の名のある人が全く同じようなことをしていたら、これほどまで叩かれることはなかったでしょう。
 また、若くして名声をもったイチロー(といっても、既に彼も40歳手前ですが)ぐらいの人だったらならば、同じ事をしても、これほど叩かれることは無かったでしょう。
 若いというそれだけの不利な条件が、ちょっとしたミスで大きく叩かれる原因になるのです。


 議会でも、若いとか、期数(当選回数)が少ないという、ただそれだけの理由で、何だかんだと干渉を受けるものです。
 今はあまり私に何か言ってくる人はいないのですが、一年生の頃は色々言われましたよ。まー、言う方も「教えてやる」という教育的な思いでおっしゃってくれている場合もあるでしょうから、一概に無碍にもできませんが、単なる干渉のように思われてしまう場合も多々あります。
 例えば、今の私が写真にあるような派手なシャツを着て議会に言ったとしても、別にたいして言われません。何か言われたら、「シンガポール航空の制服なんですよ」そう答えるでしょう。実際そうですし。
 それに比べて、女性議員がミニスカートで議会に行くと、おじさん議員から「そんなスカートをはいてくるんじゃない」と干渉を受けるそうです。そんな話を聞きました。


 議員の形式主義に関して言えば、私は政策の一環として、「議員バッチは廃止した方が良い」と訴えています。あんな権威主義的なバッチは、議員に必要ないでしょう。
「俺は議員様なんだ」
 なんて暗にひけらかすための議員バッチに、何か意味でもあるのでしょうか。


 議員バッチの話をすると、10年以上前に、こんな昔話が議会でありました。
 議員バッチをせずに、登壇して、一般質問をしてしまった新人議員に対して、議会運営委員会委員長が、「○○議員は、議員バッチをしていません。休憩を求めます」と、議会をストップさせてしまった事件があったのです。
 でも、これは前段があります。○○議員がバッチをしていないことに気がついたA議員が、まずは本会議中に、手招きをして、自席まで区議会事務局職員(以下、職員と略す)を呼び出しました。呼び出された職員は、本会議中ですから、目立たぬように中腰のままA議員のところまで行って話を聞きました。その時に多分、私、タナカケンのところへ行って、○○議員の質問を止めさせろと言ったのでしょう。
 言われるまま、職員は、私の所へ来て「○○議員の質問を中止してください」とお願いにきました。当時、私は○○議員と同じグループでかつ小さいながらも幹事長でしたから、責任者と言うことで話が回ってきたわけです。
「関係ない。続けて」
 私はそう言って、「止めてください」という要請を拒否しました。その反応を職員がA議員に伝えたところ、今度は、これを議会運営委員会委員長のところへ持って行けと指示したのでしょう。職員がお話をして、その委員長が議会を止めてしまったという流れです。
 この後、議会は当然休憩となって、この対応について話が持たれました。これについて、A議員が、○○議員が悪いことをしたのだから、謝罪があって当然だという話になり、幹事長である私に対して謝れということになりました。私はその謝罪要求を拒否して、さっさと議会を再開しましょうと話しました。でもA議員としても、振り上げた拳をそう簡単には下ろせません。このままでは議会の運営には協力しないというのです。つまり出席を拒否するというのです。
 私としては、出席したくない人を無理矢理出席させることもないと思ったので、このまま議会を再開してくださいとお伝えしたのですが、大会派の人たちは、やはり特定議員が欠席したまま本会議が開かれるのはまずいと考えたのでしょう。何とか私に対して妥協点を探るような話をもってきました。
「では、謝罪はしなくていい。でも、議長が、幹事長であるタナカケン議員を注意するということで、了承してくれないか」と言い出すのです。
 別に私としては悪いことをしたなどと言う気はさらさら無いので、
「何で私が議長に怒られなきゃならないのですか。そんな場には行きません」
 そう言って拒否しました。それでは納得できないとA議員が、出席拒否の姿勢を崩しません。
「別にA議員が出席しなきゃしないでいいでしょう。私は議会の再開に協力しますよ」
 私は、そのように発言して、謝罪は拒否するが、議会の運営には協力の姿勢を示した。
 結局、落とし所ということで、議会運営委員会を開き、委員長が何らかの発言をして、私が黙ってそれを聞くということで話は落ち着いたような記憶がある。
 そして、議会は再開したという話です。


 形式美を重んじるおじいさんって、どこの社会にでもいるんだなぁって思います。


2010年02月21日