田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

無料化しない約束は、値上げ実施を意味しない

首都高:事実上値上げ 年内にも距離別料金
2010年3月17日 2時34分 毎日jpより


 政府が、首都高速道路会社と阪神高速道路会社の定額料金(普通車700円など)を年内にも走行距離に応じて変わる距離別料金に移行させ、事実上の値上げとする方向で検討していることが16日、分かった。道路整備を求める民主党の要望を受け、料金値上げで建設費などをまかなう考え。新料金の額は未定だが、利用者の多い首都高速・阪神高速の値上げは強い反発を招くとみられる。【石原聖、大場伸也】


 首都高は現在、普通車で東京線が700円(休日割引500円)、神奈川線が600円(同400円)、埼玉線が400円(同300円)。平日も時間帯によって3~20%割り引かれ、特定区間の割引もある。このうちETC(自動料金収受システム)車限定の休日割引は、08年に税金3兆円を投入した利便増進事業の一部として実施しているが、距離別料金の導入に伴って廃止する方針。


 首都高会社は07年9月、将来の道路改修費や維持管理費を確保するため、普通車で700円定額の東京線について、距離に応じて400~1200円とする新料金案を発表した。だが、走行距離が19キロ以上になると値上げとなるため、利用者の反発もあって立ち消えとなっていた。


 民主党は昨年末、道路整備を促進するため「利便増進事業の見直し」や「全国統一の料金設定」などを政府に求めた。政府は今年6月にも首都高速・阪神高速以外の高速道路(無料化区間除く)で現行割引を見直し、距離別料金をベースに車種別の上限料金を定める制度を導入する予定。全国で距離に応じた「統一料金制度」となる可能性が出てきた。


 民主党は昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)で「高速道路無料化」を掲げたが、首都高速・阪神高速は渋滞悪化を理由に無料化の対象外としていた。
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 2009年の総選挙において、民主党は確かに、首都高速と阪神高速に限っては、無料化の対象から外すと早々と宣言していた。
 有権者との約束にあって、このように「できないこと」を事前に告げておくことは、内容的には不満であっても、公党の誠実さを感じる対応である。


 しかし、民主党は無料化しないとは言ったが、値上げするとは言っていない。今回発表された「距離別料金の導入」は以前から噂されていた料金制度であって、決して、民主党が創造した料金体系ではない。
 つまり、民主党は政権交代してまだ1年も経っていないというのに、既に首都高職員たちの手中で、いいように転がされている存在に成り下がってしまった。これでは、官僚たちの思うとおりに動いてきて自民党政権と何が違うというのだろうか。


 常識的に考えれば、あれだけ大風呂敷を広げて、高速道路の無料化を主張し続けてきたのだ。無料化しないという限定的な言い方を首都高速でしたとしても、それは現状維持というメッセージ、または少額の値下げという意味にとって不思議ではなかろう。それが実質値上げである。何を考えているのか、全くわからない。


 民主党は、政権を取ってから、日々劣化し続け、とんでもない政党になろうとしている。


2010年03月20日