田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

批判されることは素晴らしいこと

「橋下知事は無知、政治詐欺師、卑劣漢」北朝鮮が非難
2010年3月23日23時26分 asahi.comより


 【ソウル=牧野愛博】朝鮮中央通信は23日、高校無償化制度をめぐる朝鮮学校の除外問題で、大阪府の橋下徹知事が北朝鮮を「不法国家」などと呼んだことに触れ、「歴史と論理学の初歩的な常識もない無知、政治詐欺師、卑劣漢だ」などと非難した。
 橋下知事が12日に朝鮮学校を視察した際、府独自の補助金を出す条件として、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)との関係を絶つことなどを求めたことについても「許し難い人権じゅうりん犯罪だ」などと批判した。
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 中国のメディア、相次ぎグーグル批判 「中国を見誤った」と論評
2010/3/21 15:29 日経ドットコムより


 【北京共同】中国共産党機関紙、人民日報のウェブサイト「人民網」や国営通信、新華社の「新華網」は21日までに、中国市場から撤退するかどうかが焦点となっている米インターネット検索大手グーグルについて「一企業が国家の権威に挑戦しても成功するはずがない」などと強く批判する論評を掲載した。
 「グーグルは自ら袋小路に入り込んだ」と題する論評は、中国政府が「撤退の脅し」を受けて「特定の企業(の要求)にゴーサインを出すことはあり得ない」と断言。「脅し」を使ったグーグルは時代錯誤で「中国を見誤った」と批判した。
 また、グーグルは中国市場に残れば大恥をかくし、撤退すれば企業の発展戦略の大失敗になると指摘した。
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 批判の対象となった橋本知事とグーグル。批判元との関係を考えれば、どちらも国家を相手から批判対象とされているわけで、それだけでも立派なことだ。


 橋本知事が高校無償化制度をめぐる朝鮮学校の除外については、私がそれを支持するという立場ではない。しかし、橋本知事が除外したくなる動機はよくわかる。拉致被害に関しても未だ解決しているとは言えず、北朝鮮からの真摯な対応はない。そのための無償化制度における除外対応である。北朝鮮からは、自国民が通う学校も平等に扱って欲しいという意味での批判だろう。他国の政策に対して批判する暇があるほど、自国民の子どもたちを思っているのならば、本国から更なる送金をしてもらって、朝鮮学校を無償化運営したらどうだろうか。それに対して、日本政府は何ら文句を言うことは決してないだろう。
 ことあるごとに内政干渉してくる北朝鮮から批判される対象となった橋本知事は、それだけで立派な御仁である証明とも言える。


 同時に、グーグルも中国からも批判を浴びた。中国からの撤退は、単にビジネスセンスだけの決断では無かったはずだ。日々我々が受けている当たり前のサービスは、誰もが自由にものを考え、誰もが自由に発言できる社会だからこそ、叶えられている。
 どんなに優れた技術を持った企業であったとしても、自由に者が言えず、マスコミに対して日常的に報道規制をしいている中国のような国で、はたして民衆に自由はあるのだろうか。
 中国国民に、インターネットの恩恵を与えることが、中国の民主化を促進させるという意見もあった。そのような立場からすれば、何かと不満はあろうが、グーグルとしても、そこは大人の対応で、中国政府との協議に望み、妥協してでも中国に留まるという選択もあったのではないかという批判もあろう。しかし、ここはグーグルの英断を称えたい。


 つまり、普段、私たちが生活する上で、当たり前のように思われている価値観を、相手との関係が険悪化するような場面においても、主張し、行動できるかが、問われている。
 橋本知事も、事なかれ主義であれば、何も火中の栗を拾うような行動を取らなくても良かった。しかし、彼なりの良心と照らし合わせて決断したことを、北朝鮮が批判した。批判されて結構。その分だけ、大阪府民は、橋本知事を強く支持することだと、私は理解した。


 グーグルにあっても、あまりにも中国政府の干渉が酷いので、このままでは報道の自由、表現の自由、思想信条の自由など、長年、民主主義という価値観の中で獲得してきた基本的思想信条を、お金が儲かるというビジネスよりも優先したことは、企業価値をより高めた結果となった。たとえ中国でビジネスにならなかったとしても、中国以外の国では、その存在感をより大きくしていくことだろう。


 自分の価値観がよくわからなくなったとき、誰を信じていいかよくわからなくなったとき、何がいいのか、よくわからなくなったとき、そんなときは、逆の発想をするといい。
 何に価値があるのかわからなくても、何に価値が無いかはわかることがある。
 誰を信じていいのか、わからなくなっても、誰を信じてはいけないのか、わかっている場合がある。
 何がいいのかわからなくても、何が悪いのか、わかるときがある。


 橋本知事も、グーグルも、北朝鮮、中国という、自由主義社会とは相反する価値観の中で運営されている国家から、批判されているのだ。それだけで素晴らしい存在じゃないか。


2010年03月26日