田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
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日刊田中けん

左ハンドルに関する考察

 趣味は、旅行とアニメ、あとドライブ。
 月並みですが、私の趣味は、その程度です。
 さて、本日、人生初となる左ハンドルの車を運転しました。
 外車のディーラーにて試乗会に参加してきたのです。
 試乗車は、Audi TT RS クーペという車種です。
マニュアルミッションの左ハンドル車でした。


 最初、この車を見せてもらったときは、当然、試乗車は右ハンドルだと思い込んでいたので、左ハンドルの事実に、正直ビックリしました。
「左ハンドルは運転したこと無いのになぁ」
 内心、そうつぶやきながら運転席に座りました。
 運転者が左側に座る。違和感ありすぎです。
 それにペダルが、右から、アクセル、ブレーキ、クラッチと並んでいて、その並びは右ハンドルの車と変わらないのですが、外側にアクセルペダルがない(つまり左右対称ではない)ということに、またも違和感を持ちました。
 全体的に、中心よりも右側にペダルが集中していて、クラッチの左側には、大きなスペースが空いていました。


 そして、何よりも、最大の違和感は、右手でギアチェンジを行うということでした。右ハンドルの外車は運転経験があったので、右レバーはワイパー、左レバーはウインカーという仕様には慣れていましたが、右手でギアチェンジをするのは初めてです。
「あー、左手が使えない」
 右利きの私が、右手を使うことに不自由を感じているのです。
 習慣とは恐ろしいもので、ついつい左手を動かそうとしてしまいます。


 違和感はありありでしたが、恐る恐る公道に出てみました。
 左ハンドルのため、自分が左側にいなければならないポジションに違和感を覚えつつも、走り出してしまえば、徐々に感覚も慣れてきます。そのまま首都高に乗って、周回ルートを1周半して、浦安方面に抜け、ディーラーまで戻りました。


 このように人生で初めて、左ハンドルの車の運転を体験したわけです。
 さて、世界を見渡すと、外国はほとんどが右側通行であり、日本のような左側通行の国は少数派だと思いがちです。その認識は間違ってませんが、左側通行の国は極端な少数派でもありません。
 過去、私が行ったことがある国だけで見ても、オーストラリア・タイ・シンガポール・インドは左側通行でした。
 初めて、オーストラリアに行ったときは、ショーウィンドーに、右ハンドルのフェラーリが飾ってあるのを見て、日本人同士で不思議がった記憶があります。
「右ハンドルのフェラーリがあるんだ」
 後で知ったことですが、オーストラリアでは、車は右ハンドルでなければならないという法律があるようです。だから、日本のように、右ハンドルでも左ハンドルでも走れるということではないようです。もしオーストラリアで左ハンドル車を運転していたら(まず輸入も許可されないでしょうが)、それだけで法律違反となります。
 20代の頃の話ですが、オーストラリアでは、実際にレンタカーを借りて、公道を運転もしています。あの時は、日本人の若者同志が集まって、フォルクスワーゲンのオープンカーを借りて(卒業旅行として遊びに来ていた東大の女子大生にお金を出させて)、奇声を上げながら夜の町を走ったりもしていました。
 タイに行ったときは、外車は、例え右ハンドルでも、左側ウインカー、右側ワイパーであると思っていたのに、タイの車は、左側ワイパー、右側ウインカーのように、日本車と全く変わりがありませんでした。もちろん、タクシーとトヨタが同義語のように、日本車がたくさんは知っている国なので、その辺のこだわりは無いのかも知れません。
 ちなみにBLACK LAGOONという、マフィア抗争を描いたアニメ作品があります。その舞台は主にタイにあるロアナプラという架空都市です。タイ全土が日本同様に左側通行であるはずなのに、ロアナプラはなぜか右側通行に描かれています。架空都市とはいえ、ちょっと残念な時代考証です。
 近年になって行ってきたインドもまた左側通行の国でした。ただし、インドの場合は、まだまだ車社会が定着したときは言い難く、日本の軽自動車であっても、高級車のように見えるほどです。タクシーは、オートリクシャーと呼ばれる三輪自動車が普通で、軽自動車のように、四面を壁で囲まれていません。外気がそのまま車内に入ってきます。まだまだ自転車タクシーも走っている国ですから、オートリクシャーでも良い方なのです。並んで走るという運転マナーの意識も低く、我先に走るので、総じて運転は荒く感じます。それに道路には何頭もの牛が当然の権利であるが如く横たわり、道路をふさいでいます。道路自体も、雨が降れば水浸しだし、幅員も狭く、交通渋滞が日常茶飯事です。


 さて、左側通行の国では右ハンドル車が合理的です。右側通行の国では、左ハンドル車が合理的です。
 しかし、日本では、好んで左ハンドル車を運転する人もいます。またロシアでは、右側通行であるにも関わらず、性能の良さから、右ハンドルの日本の中古車が好んで運転されていると聞きます。


 日本では、ハガキや手紙を道路脇のポストから回収する郵便局の車は左ハンドルの方が合理的だとの指摘もありますが、法律的にそのような車を使うことはできないと聞いたと聞いたことがあります。


 社会とは、必ずしも合理性だけで成り立っているわけではないのが、この右ハンドル左ハンドルだけ見ても、よくわかります。時には右に、時には左にハンドルを持ち替えながら、私も政治活動をしていくことにいたしましょう。


2010年04月23日