田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

留置場で身体拘束されている被疑者を支援したい

受刑者に無料で新聞配達 仏の地方紙「社会との接点に」
2010年4月26日7時8分 asahi.comより


 フランス北西部に刑務所の受刑者に無料で新聞を配る地方紙がある。仏紙最大80万部を誇る日刊のウエストフランス紙。受刑者と社会の「接点」になればとの老社長の願いがこもる。第2次大戦でナチス・ドイツに抗したレジスタンスの闘士だった父が地元刑務所に捕らわれていたことが、発想の原点だ。


 「おはよう。コーヒーだ」


 午前7時、レンヌの刑務所。看守が声をかけて回る。受刑者たちはカップを手に出てくると、朝食用のコーヒーやミルクと一緒にワゴン上の新聞を部屋に1部ずつ取る。


 「自分が社会から忘れられていないと感じる」と入所2年10カ月のステファン受刑者(38)。6年のマルシャル受刑者(47)は「出所後は以前と同じ掃除の仕事をしたい」と求人欄に目をやる。ハイチの地震などの災害記事を見るたび「自分より不幸な人がいると知らされる」とも言う。


 ユジェンヌ受刑者(56)は会社経営者。経済記事のほかに、刑務所の処遇の記事を切り抜く。「世の中を違う目で見られる」と言う。


 無料配布は同紙のフランソワレジ・ユタン社長(80)と刑務所の所長が意気投合し、2006年に実現した。


 この刑務所はユタン社長の父ポールさん(故人)がナチス・ドイツの秘密警察に拘束された場所だった。「父がいた部屋を妻や娘と訪れ、劣悪な状況を知った」。1944年の連合軍ノルマンディー上陸作戦の2カ月後に父が創刊した新聞で、予防拘禁反対や過剰収容の改善を訴えてきた。「刑務所での厳しい時間に耐える手助けになれば」と無料配布を思い立った。


 刑務所側は受刑者が読む習慣や能力をつけることは出所後に役立つと判断した。仏の刑務所では新聞を自費で購入できるが、進んで購読する受刑者は一部だった。


 看守らの職員組合は「新聞社の従業員でない」と反対したが、職員の購読料4割引きを提案して協力を得た。現在、21刑務所の計約5400人が対象。独房や2人部屋があり、実際に配るのは約2770部で、年間経費は15万ユーロ(約1870万円)という。(仏北西部レンヌ=飯竹恒一)
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 私には刑務所で過ごした経験はない。ただ、留置場で四ヶ月過ごした経験があるだけだ。
 その経験から言って、何が辛かったかと言えば、情報がないことだった。捕らわれた経験がない人は、よく食べたいものが食べられないのが辛いのではないかと想像するだろう。もちろん、食べたい料理が食べられない辛さはある。しかし、「何々が食べたい」など、様々な食べ物を口に出して言うだけでも、叶わぬ願いは少しだけ満たされる。生命を維持するために最低限の食事さえ食べられれば、そのうち、好きな食事が食べられないことにも慣れてくる。
 最後まで耐えられなかったのは、情報に対する飢餓感だった。別に携帯電話が欲しいとか、インターネットが欲しいなどの贅沢は言わない。好きなときに好きな文章が読めるということがどれだけ恵まれた環境かと言うことが、このような不自由な体験をすることでよくわかった。
 捕らわれの身とは、単に身体を拘束されているからだけで辛いのではなく、情報から隔絶されてしまうから辛いのである。


 フランスでは、金さえあれば自費で新聞を購入できるようだが、日本ではそのようなことはできない。私がいた彦根警察署の留置場では、産経新聞の朝刊が全体で一部だけ回し読みできるだけである。私は一日に三回ほど、隅から隅までその新聞に目を通し、その中での印象的な文章はノートに書き留めたりした。人生の中で、たった一部の新聞をこれほどまで大切に扱ったことはなかった。

 記事にもあるように、逮捕される者とはナチス・ドイツと戦ってきた政治犯もいる。私自身も、高速道路の無料化を求め政治活動を行い、国策捜査によって逮捕された政治犯であると確信している。今回の民主党に関する一連の検察介入も、民主主義に対する挑戦と考えれば、異常な事態である。どんな理由をつけても、時の権力によって、政治犯は逮捕されるのである。


 日本においては、逮捕された者ほど悲惨な者はない。高齢者であれ、障害者であれ、犯罪被害者であれ、多くの政治家が彼らの地位向上のため、発言を繰り返している。では留置場に捕らわれた者、刑務所で服役した者に対しては、どこのどの政治家がその人権についてコメントしているというのだろうか。私は不勉強のため、そのような政治家を知らない。


 私はこのように、これまであまり政治的な対象とならなかった「囚われの弱者」に対して、その地位向上を目指して支援していきたい。


2010年04月27日