田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

辻元清美氏の立ち振る舞いを理解する

「福島さんはわかってない」社民・辻元議員、離党会見へ
2010年7月27日10時51分  asahi.comより


 社民党の辻元清美衆院議員(大阪10区)は26日夜、重野安正幹事長と国会内で会い、離党の意向を伝えた。辻元氏は、参院選で目標を下回った党の現状や、自身の選挙区での厳しい状況をふまえ、「福島さん(瑞穂党首)はわかっていない」と話したという。27日午後に記者会見を開いて考えを述べる。
 福島氏は27日午前に辻元氏と面会し、「普天間問題などで一緒に頑張ろう」と要請。記者団には「仲間だから一生懸命慰留したい」と語った。
 辻元氏は、5月末の社民党の連立政権からの離脱についても、執行部の方針に批判的立場を取っているとされる。1996年に初当選し、当選4回。昨年の政権交代から連立政権を離脱するまでは国土交通副大臣を務めていた。
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 私はこれまで、5月29日(土)の日記で社民党を批判し、6月11日(金)の日記でも、国民新党を持ち上げつつ、社民党を批判した。
 でもここに来て、私の批判の対象は、社民党ではなく、福島党首による「政権離脱」という政治判断そのものであったことがハッキリした。
 もう既に何度もお伝えしてあるとおり、もし私が社民党の議員だと仮定した場合における最良の立ち振る舞いを自分なりに考えてみた。弱小政党の社民党が、自分たちの政治的意図を少しでも実現しようと思えば、衆院選挙の結果を受け、自然な流れで加わった政権政党、連立与党の立場を安易に捨てるべきではないと言い続けてきた。
 社民党に対して、少しでも興味を持つのは、社民党が主張する数多い政策の中でも、食品規制に関する主張などに共鳴するからであって、そのような主張を現実化して欲しいという思いがあればこその「連立から離脱するな」という私なりのエールであった。
 しかし、結果は福島党首の思うとおり、社民党は連立政権から離脱し、参院選挙でも敗北した。
 そんな中、辻元清美氏が社民党を離党した。これは福島党首の政治決断に反する当然の帰結だと言えよう。連立政権からの離脱を決めたことで、社民党は自らの主張を実現する可能性を、2%から0%にしてしまった。なおかつ、同じ政党の議員さえも「離党」という形で失ってしまった。これは明らかに福島党首の判断ミスである。
 小選挙区制という、過酷な選挙戦を戦い勝利した辻元清美氏だからこそ、その責任の重さと、自分自身の立ち位置を、比例代表で当選した福島党首以上にわかっているのだろう。


 これから先細りが懸念された社民党であるが、辻元清美氏の離党により、結果としてその速度を早めてしまった。一番身近な、国会議員の民意さえわかっていない福島党首の下、社民党はより早く国会の場から消滅していくのだろう。残念ではあるが、仕方が無いと思わざるを得ない。
 潔癖すぎて、泥水を飲む覚悟無くして、弱小政治勢力は、権力など求めない方がいい。テレビのコメンテーターが丁度良いぐらいだ。


2010年07月29日