田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

t_ken

日刊田中けん

映像での扱いが、実体経済にまで影響を与える

バイク離れ止まらない…市場、何と10分の1
(2010年8月16日08時36分  読売新聞)


  ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ――。
 世界的な二輪車メーカー4社を生んだ日本の二輪車市場が、若者のバイク離れなどで、ピーク時の1割程度まで落ち込んでいる。
 各社は電動バイクの投入などで市場活性化を狙っている。
 二輪車販売は、アジアなど新興国での需要増で、ホンダが10年4~6月期で前年同期比28・2%増の288万7000台、ヤマハ発動機も10年1~6月期で30・2%増の347万8000台と好調。しかし、国内では、09年の二輪車の出荷台数が業界全体で約27%減の約38万台と4年連続で減少し、82年のピーク時の11・6%まで低迷している。
 バイク市場の縮小は、80年代から高校生のバイク通学が禁止されたことなどによる若者のバイク離れが背景にある。さらに、駐車違反の取り締まりが民間委託されて摘発件数が増え、歩道や車道にバイクを置きにくくなったことや、二輪車の排出ガス規制の強化に対応するためのコスト増で価格が上昇したことも要因だ。
-------------------------------
 バイクとは、私にとって、政界に入るきっかけを作ってくれた乗り物である。
 東京から北海道へツーリングに出かけ、ここに高速道路があるにも関わらず、高すぎる料金制故に、それを使えず、一般道を使って1日で青森の最北端にある大間崎まで走ったことが、社会を変えようと思った原体験であった。


 それだけに思い入れが強い乗り物なのだが、その二輪車の市場規模が、ピーク時の10%になってしまったという。
 記事では、若者のバイク離れと書いてあるが、若者はバイク離れだけでなく、車離れもしているし、旅行離れもしている。
 これだけの条件で想像できる若者像とは、家の中にこもって、ゲームやインターネットをしている姿であり、私が10代、20代を過ごした頃とは、随分と変わってしまった。


 もちろん、この間、インターネットが普及し、ゲームも相当面白いものが開発されてきたのだから、若者がその影響を受けるのは当然であろう。一概に、嘆くことも無いとは思う。
 ただし、これまでバイクがドラマなどで、決して良い扱いを受けてこなかったことなども、バイク離れの1つの要員として私は指摘しておきたい。
 どうだろうか。バイクが登場するドラマは、間違い無く、事故と結びついている。バイクの転倒によって人が死んだり、大けがをしたりすることが、「お決まりのパターン」となっているのだ。
 このように定型化された物語のパターンをフラグというのだが、主人公や、主人公に関わる人物がバイクに乗っている場合は、まず間違い無く、その後の展開で、その者は転倒して死ぬか、大けがをすることが決まっているのだ。


 この様な刷り込みを、色々なドラマで見せつけられれば、「バイク=危険」という見方を、普通の人ならば間違い無くしてしまうだろう。


 確かにバイクには危険が伴っている。しかし、それを補ってあまりある楽しさや機動性、経済性などについて、ドラマは正確にその魅力を語ってくれない。
 そして、何よりも、バイクは、日本を代表する工業製品の1つであるということだ。そのバイクが売れないと現象は、それが不況の原因であり、結果でもあるという証拠だ。


 バイクの例のように、メディアでどのように扱われるかによって、それを見ている者は、大なり小なり影響を受け、対象物を見るようになる。昔から言われ続けていることではあるが、バイクは悪いイメージの元、これまでずっと差別され続けてきた。


 バイクの高速道路料金は、自動車と全く同じであっし、首都高などでは、未だに同じ料金を徴収している。それでいて、2人乗りは禁止だという。このようなバイクに乗りづらい環境が、バイクを社会から締め出してしまっている。
 それにこれが差別だと政治的に声をあげる者も、まずいない。


 私は、自分自身の政治的目標の小さな1つとして、バイクが乗りやすい環境づくりをすることを、ここに宣言する。


2010年08月16日