田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

普段、何も考えていない問題に直面した政治家の対応

法相「捜査見守りたい」 特捜検事逮捕で
2010/9/22 10:15 日本経済新聞より


 柳田稔法相は22日午前、郵便料金不正事件の捜査を巡り、大阪地検特捜部の主任検事が逮捕されたことについて「最高検の捜査を見守りたい」と述べた。都内で記者団の質問に答えた。


 これに関連して片山善博総務相は「検察は法と正義を守るのが役割で、捏造(ねつぞう)はもってのほかだ。徹底的に捜査しなければならない」と語った。
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菅首相、中国首相の発言「冷静に対応」
2010/9/22 21:25 日本経済新聞より


 菅直人首相は22日、巡視船と中国漁船の衝突事件を巡り、中国の温家宝首相が日本政府に船長の即時・無条件釈放を求めたことについて「冷静に対応していく」と述べるにとどめた。首相官邸で記者団の質問に答えた。民主党の岡田克也幹事長も「法に従って粛々と対応する以外の答えはない。中国側もしっかりと理解してもらいたい」と強調した。
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 柳田稔法相は今回の検察の犯罪行為に対して、「最高検の捜査を見守りたい」とコメントした。
 菅首相は中国の侵略行為に対して、「冷静に対応していく」と述べた。


 率直に言わせていただくが、この二人の政治家は、対象となる問題について、普段何の興味も関心も持ってこなかったのだろう。これほど重大な問題であるにも関わらず、あっさりとしたコメントしかできなかったのがその証拠である。


 最高検の捜査とは、今回逮捕された前田恒彦容疑者、一人に問題があって、その人物を逮捕、起訴すれば問題解決となるシナリオに沿って
対応しているに違いない。
 つまり、一人の逮捕者によって、組織の延命を図ろうとするトカゲのシッポ切りである。
 法相としては、最高検の捜査のあり方を見守るだけでは不十分であり、身内が身内を捜査する限界から、検察・警察に特化した特別の捜査機関の創設をも視野に入れた対応をしなければならない。
 もちろん、これを検察官一人の暴走と矮小化して捕らえるのではなく、検察による組織犯罪として考え、検察官であれば誰もがこのような問題を起こす可能性があると認識し、捜査のあり方を根本から変えていかなければならない。
 そのためには、取り調べの全面可視化、調書裁判の廃止(警察と検察で、調書を作り、それを裁判で証拠として採用できるから、警察や検察が思うがママに物語を作って、被告を犯人へと導いてしまう。調書を証拠として採用しなければ、無理な自白をさせたところで、それは意味を持たない)、証拠品保全の義務化(飯塚事件において、犯人の物とされた髪の毛をDNA鑑定時に検察側は全て使い切ってしまった。そのため弁護側には、その証拠を検証する機会が与えなかった)など、最低限、このぐらいのことは検察改革の一貫として行うぐらいのコメントが欲しかった。


 昨今の各種冤罪事件を見ても、このような検察による証拠のねつ造捜査、被疑者が犯人であるとの思い込み捜査などは日常茶飯事なのだろう。今回はたまたま不正が露見してしまったので、仕方なく検察が謝罪しているに過ぎないと考えるべきだ。
 どちらにせよ、この検察不祥事を逮捕された前田恒彦容疑者一人の問題にすり替えさせてはならない。本来ならば、もっと多くの不正な検事がいるはずであり、もっと逮捕者がいなければおかしいのだ。
 身内に甘い検察に対して、今こそ、その検察権力を国民がコントロールするときである。


 また、一方の菅首相の「冷静に対応していく」というコメントにも、何か物を考えてきた人物の発言とは到底思えない口数の少なさである。
 日本は冷静かもしれないが、中国は温家宝(ウェン・チアパオ)首相自らが、逮捕された中国人船長を「即時に無条件」で釈放するよう日本に求めているのだ。更に、釈放されなければ、「さらなる行動をとる」とし、追加の対抗措置をとる準備があることも表明しているのである。


 これは、殴りかかってこようとする相手に対して、「まーまー冷静に」と言っている力がない人物の対応でしかない。力がないだけではなく、プライドも意地もない。


 これまでの日本政府の見解を踏襲するのであれば、尖閣諸島は日本固有の領土であり、この地に領土問題は存在しない。中国政府は尖閣諸島に対して、「領土と主権を守る」と主張しているが、勘違いもはなはだしい。これは日本政府と日本国民を侮辱する発言であり、断じて容認できない。
 このような中国による言いがかりは、中国の覇権主義による侵略行為の第一歩であり、かつてチベットや東トルキスタンや南沙諸島に対して行った行為と全く同じであり、ぼやぼやしていると、我が日本も中国によって侵略されてしまうかもしれない。その危機感が今の日本人にあるのだろうか。
 全ての責任は、いたずらに問題を大きくしようとする中国側にある。


 このぐらいのことをなぜ、菅内閣の面々は今ここで言えないのだろうか。
 政治家だからと言って、全ての問題に対して興味関心を持ち、何かの考えを持つというのは物理的に不可能だろう。それならば、改めて勉強し直して、もう少し国民が納得するようなコメントを、責任ある立場にある政治家ならばして欲しいものだ。
「顔を洗って出直してこい」
 検察権力にも、中国の国家権力にも弱腰な政治家は、この日本には必要ない。


2010年09月24日