田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

尖閣ビデオ、インターネットに流出。内部告発者を保護せよ。

海軍顔負けの激突!隠された蛮行が白日に…逃げ菅窮地★尖閣ビデオ映像、インターネット流出


2010.11.05 ZAKZAKより


 沖縄県・尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件の状況を記録したビデオ映像が5日、インターネット上に流出した。撮影した海上保安庁が確認した。映像には、処分保留で釈放した中国人船長が上半身裸のまま悠然と船を操り、海保の巡視船に強引に衝突させた決定的シーンも。1日に国会で限定公開された以外の映像もあり、政府は大きな衝撃を受けるとももに、犯人捜しに躍起だ。一方、野党などからは、中国漁船による許し難い蛮行を隠し続けた菅直人政権に対し、猛烈な批判が噴出している。


 ついに流出という形で公開された中国漁船衝突事件の証拠映像。日本領海での違法操業から2度にわたる衝突まで一部始終が収録され、映像によって中国漁船の悪行が完全に証明された。映像には手慣れた操船で巡視船の機関部が集中する船尾への正面攻撃を繰り返す一方、甲板の船員たちは異様に冷静な態度を見せたり写真撮影をする場面も。「ミン晋漁5179」の単なる漁船とは言い難い行動もビデオの中から読み取れる。


 流出した映像は「YouTube」に4日午後9時前から1時間ほどの間にアップされた。


 タイトルは「本当の尖閣 海上保安庁1」から「尖閣の侵略の真実」「日本の尖閣」「どうなる尖閣」と微妙に異なるが、時系列に全部で6本。各2分29秒~11分24秒で、合計43分46秒にもなる。


 投稿者名は「sengoku38」で、5日午前7時40分ごろ、投稿者のアカウントごと削除された。現在はニコニコ動画に有志がコピーして公開している。


 問題の映像は「ミンシンリョウ5179 No1 進路規制から揚網途中まで PL63よなくに 平野撮影」と、テロップで加工されたタイトル画面から始まる。


 午前9時28分、巡視船の警笛をよそに漁船は操業を続ける。背後に尖閣諸島の久場島が間近に映り、明らかに日本領海内であることが分かる。巡視船は中国語の音声テープで警告するが、漁船甲板の船員は小型カメラで巡視船を撮影するという、漁師らしからぬ行動もみせる。


 その後、漁船は停船し、クレーンを使って漁網を引き揚げる。甲板では船員が慌ただしく動き、何度も笛の合図が。その後、黒い煙を出して巡視船よなくに船首を向けてきた。


 「またエンジンの回転が上がりました」


 「本船の方に船首を向けてきます。挑発的です」


 撮影者の説明直後、よなくにの船尾に漁船が激突。「グシャ」。はっきりとした衝突音が響くと、「あー、本船に当てました」。淡々と説明していた撮影者の声も、この時は上ずっていた。


 別の職員が「はい、今の位置確認」と張り上げる声や、「連絡する。中国漁船が本船に衝突した。相手船がぶつけてきた」という船内放送も聞き取れる。警笛が響く中、漁船は紺ぺきの海に白い波を立てて逃げた。


 続いて、衝突された巡視船「みずき」から撮影した映像が始まる。サイレンに拡声器で「ストップエンジン!!」と激しい口調で停船命令を出すが、並走した漁船が船首をみずきの右舷に向け、迫ってくる。漁船甲板上の船員らは両手でしっかりと柱に捕まり、冷静に衝撃防止姿勢を取る。ブリッジからは上半身裸の男が一瞬、姿をみせた。


 「おい、止まれ!!」、「来る、来るっ」。怒声が飛んだ直後に船体が横に揺れ、こすれるような「ガシャガシャ」という接触音が聞こえ、巡視船からは黒煙が上がった。スクリューなど機関部が集中する船尾を狙った衝突-。


 海軍顔負けの操船術で体当たりを見せた中国漁船は、やはりタダモノではなかった。
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 まずは「sengoku38」なる人物に対して、勇気を持って、国家の尊厳に関わる貴重な情報を公開してくれたことを感謝する。
 政府が「公開しない」と言っている以上、このような超一級情報が、国民の目にさらされることはなかったはずだ。本来ならば、このままお蔵入りとなり、多くの日本国民が目にできなかった動画であった。


 TVのニュースを見ると、どれも「sengoku38」氏を犯人として扱い、日本の危機管理能力の無さを問題視している。確かに、機密情報の漏洩は、厳罰に処すべき事項であろう。仙石由人官房長官は、既に罰則付きの国家公務員法違反に該当すると警告している。当然、尖閣ビデオを公開した「sengoku38」氏は、覚悟の上の確信犯に違いない。自らが刑事罰を受けることも覚悟して、勇気ある行動に及んだのだ。免職だけでは済まされず、禁固刑になるやもしれない。
 しかし、この問題の本質は、ここではない。尖閣ビデオなる、一連の衝突時におけるビデオ情報は、本来ならばもっと早い段階で、民主党政府が率先して、日本国民全体に公開すべき情報であった。

 「sengoku38」氏は、国民の知る権利を妨害した民主党政権に対して、国民の知る権利を保障すべく、動画を公開し、政府に異議申し立てとしたとも解釈できる。公務員にとって、このような危険な行為は、内発的正義感無くして、できるはずがない。これによって、氏に正に、刑事被告人になるかもしれない。それでも純粋な正義感から発せられた行動は、どんなに自らが不利な条件になっても、その信念を揺るがすことはできない。

 民主党政権にとっては、政権意志に反して、情報が漏洩したのであるから、この内部関係者をとことんまで調べて、厳罰に処するであろう。とにかく、これから「sengoku38」氏が誰であるのか、民主党政権によって捜査されていくことは間違い無い。「sengoku38」氏がたとえ誰であろうとも、私はその人物を、凡庸なマスコミ然として批判する気にはならない。
 今、民主党政権が真に行うべきことは、情報漏洩の犯人さがしなどではなく、中国との関係を根本的に見直すことである。それと同時に、事件直後に、この尖閣ビデオを正式な形で公開しなかった、“判断ミス”を率直に国民に対して謝罪することである。
 一義的に言えば、民主党政権こそが国民の知る権利を勝手に奪った“犯人”なのである。それを勇気ある人物が正し、国民に知るべき情報を提供してくれたのだ。
 私からすれば、氏は“犯人”ではなく、“英雄”である。英雄が内部関係者ならば、氏は多分、公務員であろう。その公務員の職を賭してでも、この情報を広く国民に公開することに、国益を見いだしたのだ。個人的な利害関係から言えば、デメリットばかりの行為ではあるが、このままでは、日本が滅んでしまうかも知れないという氏独自の危機感が、自らの人間としての良心と照らし合わせて、この動画を公開させたに違いない。


 確かに、氏の行動は、公務員としては、職務上の守秘義務違反に問われるだろう。しかし、この場合、守秘義務違反と国民の知る権利の確保を秤にかければ、後者の大義が大いに勝る。氏が行ったことは、個人情報の漏洩だろうか。国家機密を他国に提供するなどの利敵行為だろうか。否。日本国民を思うからこその義勇であろう。

 今回の情報漏洩は、個人情報や他国に知られてはならない機密情報を漏洩したのとはわけが違う。ここの違いを抑えておかないと、氏を単純に犯人扱いとする愚行を犯してしまう。
 よって私の個人的な判断では、“愛国無罪”とするのが妥当だと考える。


 むしろ、私はこれほど重要な国家情報を、国民に隠し続けてきた、仙石由人官房長官をはじめとする政府関係者にこそ怒りを感じる。


 これは一種の内部告発だ。
 日本には内部告発者を保護する「公益通報者保護法」なる法律があるが、はたしてその法律はうまく機能するのであろうか。
 その主旨は正に、公益を確保するために、職務違反を行った者に対して、その者の身の安全を保証し、職務違反を行ったことによる不利益を回避させ、仮に何らかの弁償などの責任が発生した場合は、国なり地方自治体などの公の組織が、その肩代わりをするなどの保証が求められる。
 公益確保の度合いに応じて、報奨金などの制度があってもいいとも思う。


 村木厚子氏を巡る一連のでっち上げ捜査なども、内部告発があったからこそ発覚したような事件である。通常、重職にある者は、重職故に、その重職にしがみつき、大義を忘れ、目先の私益に走り、公益を忘れた行動を犯しがちである。
 どんな職種であれ、その独善的な業界の慣例なり、常識なりが、一般社会で通用するとしたら、大間違いである。
 そこには、一般常識で考えて、公益を優先した行動が賞賛されてしかるべきである。


 今回は、尖閣ビデオの映像による衝撃度もさることながら、このビデオを勇気ある決断によって公開してくれた「sengoku38」氏に対して、私は最大限の賛辞を贈る。それと共に、きっとその人物は、自分が誰かなどは名乗りはしないだろうが、一般生活上、この勇気ある行動によって、不利な扱いを受けないで、これからも職務と公益に忠実な仕事をしていただきたいと願うばかりである。


 たとえどんなに民主党政府が腰抜けだろうとも、リクスを省みない勇気ある現場の日本人が、この日本にはまだまだたくさんいることを、今回の尖閣ビデオは、裏メッセージとして、我々に教えてくれた。勇気ある日本人に続こう。少しの勇気と行動力を持って、今の民主党政権には期待できない、真っ当な外交を、国民の手に取り戻そう。


2010年11月06日