田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
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日刊田中けん

マニフェストは金科玉条だ

「無料化の約束ほご」 高速新料金案に民主党内から批判
2010年12月8日1時0分 asahi.comより


 高速道路の新料金制度について、国土交通省は7日、民主党との本格的な調整に入った。「普通車上限2千円」などの実質値上げを検討していることに対し、この日の民主党国土交通部門会議では、小沢一郎元代表に近い議員から批判が噴出。政権の火種になる可能性が高い。


 新料金制度は、普通車などの休日料金の上限を1千円とする現行の割引制度の期限が来年3月にくるため、その代わりに翌4月以降は、曜日に関係なく普通車の上限を2千円にするといった内容だ。


 国交省はこの日の部門会議には具体案を示さず、池口修次副大臣が「新料金案は決まったものではない。皆さんの意見をお聞きしたい」と低姿勢で語りかけたが、突然、小沢氏に近い議員が発言を要求。「マニフェストに掲げた『原則無料化』という国民との大切な約束をほごにした」と緊急提言を読み上げ、拍手が巻き起こった。


 高速料金をめぐる迷走は、昨年末の予算編成にさかのぼる。高速道路建設を求める小沢氏らの主張を受け入れ、前原誠司国交相(当時)は2017年度まで10年分の割引財源の使い残しのうち約1.1兆円を東京外郭環状道の建設などに転用する法案を出した。転用によって割引財源が減るのを前提に、前原氏が上限料金制を打ち出したところ、今度は「実質値上げ」との反発を受け、6月からの実施を断念。そのあおりでたなざらしになっていた法案も臨時国会で廃案になった。
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 自民党や公明党の議員に多いのだが、「マニフェストを金科玉条の様に考えるのは良くない」との批判がある。
 平気でよくこのようなことが言えたモノだ。この様にマニフェストを軽んじる政治家が言うことなど、選挙では真っ先に信用できないと考えないのだろうか。自分たちがマニフェストなどと言って選挙戦を戦うことが恥ずかしくないのだろうか。
 民主党のマニフェスト批判をする者は、全て「選挙公約などいい加減なもので、決して守らなくてもいいんだよ」と言っているようなものである。


 私は何も民主党のマニフェストに書かれた政策を批判してはいけないと言っているのではない。大いに批判すべきだし、修正を迫るべきだ。しかし、それは論理的に行うことであって、選挙で勝った政党のマニフェストを実行すること自体は、何ら問題なく、むしろ国民から信任を受けた大いに正当性がある政策だと言える。
 選挙に勝った、特に政権交代という大業を果たした政治勢力に対する一定の敬意なくして、野党が一方的にマニフェスト批判する様は、「あーこの人たちの選挙における言説は嘘に満ちているのか」と有権者には思わせてしまうことだろう。


 個別の政策で言えば、私も民主党のマニフェストに書かれた政策を1から100まで全て支持しているわけではない。しかし、これは国民との契約である。選挙が終わった後で、不人気だとか、需要がないとか、財源がないなどという泣き言は聞きたくない。
 財源など、赤字国債を乱発すれば、無いなどと言うことは無い。高速道路の無料化にしろ、子ども手当てにしろ、マニフェストに書かれたことを100%実行することが、政権政党としての誠実さであると私は考える。


 もちろん、私は自分とは違った政策については批判もする。しかし、それはそれ。これはこれだ。
 マニフェストを100%実行しようとしても、実際に実行できるのは、ほんの数%だったなどと言う政策も、結果的には出てこよう。しかし、そのような政策であったとしても、最初から100%であることをあきらめてしまえば、その数%でさえも、実現できないのだ。


 今、民主党に問われているのは、政策の中身ではなく、政策実行能力にある。尖閣問題などで、叩かれて、叩かれて、逆風の中で政権政党をしている民主党は、まるで自信喪失政党になったかのように、その都度、その都度、様々な政治勢力や風評によって、ぶれている。
 民主党が批判されているのは、何よりも、その自信のなさであり、潔さの無さである。


 私は世論調査で、高速道路の無料化が世論の支持を得ていないという報道を目にする度に、「そんなことは関係ない」と心の中で叫んでいる。
 選挙で有権者に約束したことは、政治家にとって神聖な行為であり、ましてや政権政党になったからには、それを実現する権力が国民によって付与されたのだ。自信を持って、その政策を実行しなければ、それこそ国民に対する背任である。
 私は民主党に所属もしていないし、むしろ国政においては、民主党を攻撃する立場に身を置く政治家の一人ではあるが、それでも民主党の高速道路の無料化については、大いにそれに期待し、実現を夢見ている一人である。


 選挙中に約束したことを、もっと真摯に重く受け止め、民主党は、少なくとも次の衆院選挙までは、日本の政権政党として、高速道路の無料化への道筋を立ててもらいたい。


2010年12月09日