田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

大人の都市文化に子どもは似合わない

子どもがぐずっても安心、新幹線に専用車 年末年始
2010年12月25日16時31分 asahi.comより


 JR東海は25日、子ども連れのファミリー専用の車両を設けた新幹線の運行を東京―新大阪間で始めた。25~28日、来月5~10日の「のぞみ」と「こだま」の計39本が対象。
 専用車両は39本に各1両設けられ、こだまはグリーン車が専用車両となる。新大阪駅を午前10時27分に発車した東京行きのぞみの専用車両には約20人が乗車。長女(3)と一緒に茨城県日立市に帰省するという大阪府羽曳野市の女性(24)は「子どもがぐずった時、周りが親子連れだと気が楽になります」と話していた。
 同社によると、来月5~10日分は空席がある。問い合わせはJR主要駅のJR東海ツアーズの支店か電話窓口(03・3538・4036)へ。
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 昔、田辺聖子がエッセイで書いていたということを免罪符にするが、新幹線に「大人専用車両」を作って欲しいという要望は昔からあった。今回のJR東海の対応は、「大人専用車両」ではなく、「子連れ専用車両」であり、似て非なるモノではあるが、ビジネスマンとファミリーの住み分けという意味では、一歩前進だろう。
 少子化対策のように、世を挙げて、子ども、子どもと子どもの存在を持ち上げる風潮があるが、私は無条件に子どもの存在を肯定しない。
 大人の都市文化と子ども文化は相容れない。


 少子化対策と称して、“都市にもっと保育園を”という政策をよく目にするが、これは短期的には支持できても、中長期的には支持できない、嫌むしろ積極的に私は批判する政策だ。


 端的に言って、都市では子どもは生まれない。生まれないのだから生活もできない。子育てが難しい場所が都市なのだ。
 2006年のデータだが、都道府県別合計特殊出生率の最高値と最低値を紹介する。
 最高値は、沖縄県の1.74人
 最低値は、東京都の1.02人
 2003年のデータでは、都道府県別1人あたりの県民所得の最高値と最低値を紹介する。
 最高値は、東京都の427万円
 最低値は、沖縄県の204万円


 この事実が物語る真理は軽くない。この様な統計を見た私の問題の建て方は、
 「だから保育園を」
 ではなく、
 「だから東京一極集中を排して、多極分散型の国土利用を」
 となる。


 今、日本の少子化を少しでも緩和しようとするならば、保育園を作ることではなく、地方に職場を作って、東京の人口を地方に万遍なく分散させることが必要なのだ。
 そのためには、雇用を産み出す企業が地方へ行くことのインセンティブを感じるように、法人税減税は、地方でこそ行うべき政策であって、東京で行うべき政策ではない。むしろ、東京では法人税増税でもいい。


 これまで我々日本人は、東京一極集中による便利さと効率の良さに目を奪われ、子を産み育てることに対して、関心を払ってこなかった。その結果の東京一極集中現象なのだ。


 洗練された大人による都市文化の中に、子どもはいらない。新幹線の中にも、飛行機の中にも、静かなレストランの中にも、子どもはいらない。


 その分だけ、子どもには自然あふれる田舎の生活環境を提供して、そこで伸び伸びと育ってもらいたい。


 間違っても、東京都市部で、より多くの保育園を作ることが少子化対策だと思わないことだ。


2011年01月11日