田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
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日刊田中けん

多数決の暴力について、社会はもっと敏感に

「クレジットの削除を」、『ハガネの女』原作者がドラマ側に異例の苦言
 6月24日 サイゾーウーマンより


 今月16日まで放送されていた女優・吉瀬美智子主演の人気ドラマ『ハガネの女』(テレビ朝日系)。モデルから一躍人気女優となった吉瀬にとっては連続ドラマ単独初主演作ということで、昨年金曜ナイトドラマ枠で放送された「season1」の好評を受けて、今年4月から「season2」がスタートした。


 今シーズンでは、不法滞在外国人の子どもへの差別問題、アスペルガー症候群の生徒を題材に取り上げるなど、シビアな内容で物語が展開。深夜枠の前作に比べ、視聴率こそ平均7.3%と伸び悩んだものの、問題と真剣に立ち向かっていく吉瀬演じる「ハガネの女」の姿は好評を得ていた。


 ところが、多くの要望に応える形でスタートした「season2」も、裏では思わぬトラブルが起きていた。ドラマの原作者であるマンガ家の深谷かほる氏は自身のHPで、


「私、深谷かほるは ドラマ『ハガネの女 シーズン2』の内容に対しての意思表明として、
1)原作者を降り、クレジットを削除していただきました。
2)DVDを含むビデオグラム化、モバイル配信、インターネット配信についても反対しております」


 と発表。とはいえ、ファンとの交流をはかる掲示板には「○○さん(投稿者)のおっしゃる通り、出演者も、制作スタッフも一所懸命自分の持ち場は輝かせてくれていただけに、別な部分で問題が起きるのを防げなかったことは、私は自分の力のなさが悔しいです」と制作者・出演者側への配慮も見せていた。


 この衝撃的な降板劇、どうやら今シーズンで取り上げたアスペルガー症候群の生徒をめぐるストーリー展開が原因のようだ。


 先の掲示板には、以前から視聴者より「アスペルガーの子どもを転校させるか否かを生徒たちの多数決で決めた」というドラマの内容について、「いくらフィクションとはいえ酷すぎました」「障害があろうとなかろうと、人の存在を多数決で決めるなんて話、傲慢にもほどがあります」との意見が寄せられていた。


 これに対して深谷氏は「私が書いたのではありません。おっしゃるとおりだと思います」などと回答。今シーズンに関しては完全にテレビのオリジナル脚本で、深谷氏も内容に関してテレビ局サイドに「何とかならないか」と要望を出していたほどで、ついには「原作者である私自身、許しがたい内容がたくさん含まれたドラマでした」と怒りを顕にしていた。放送倫理・番組向上機構(BPO)のサイトにも、同ドラマについて視聴者からの意見として「あまりにも差別がひどい」などと言った批判の声が挙がっているという。


 深谷氏は、即座に原作を降りてしまうと、2~3割程度は通してもらっていた脚本に関する要望も、今後は一切受け入れてもらえなくなることを危惧し、ギリギリまで「原作・深谷かほる」のクレジットは残していたそうだ。そして最終回の放送分で、ついにクレジットを外すことになったという。原作者が映像化した作品に苦言を呈することはままあることだが、ここまでの内容は珍しい。


 深谷氏の掲示板を見ると、ドラマに対して好意的な意見も多く「次回作もほんとにほんとにやってほしいです」という声も上がっていたが、深谷氏は次回作について「私にも分かりません。映像化については、その仕事の進め方やルールがよくわからないんです」とこぼすなど、マンガや小説を映像化する場合の問題点が浮き彫りになった形だ。今や、原作ありのドラマ・映画作品は主流となっているが、原作者の関わり方など明確化されなければ、このような騒動は後を絶たないのかもしれない。
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 ネットニュースの長い引用となったが、肝心な部分は以下の文章である。

>先の掲示板には、以前から視聴者より「アスペルガーの子どもを転校させるか否かを生徒たちの多数決で決めた」というドラマの内容について、「いくらフィクションとはいえ酷すぎました」「障害があろうとなかろうと、人の存在を多数決で決めるなんて話、傲慢にもほどがあります」との意見が寄せられていた。


 つまり、人の存在、人が持つ、固有の権利ということについて、何ら思い至らず、それさえも多数決で決めてしまう。


 これこそ、今の江戸川区議会自民党と、江戸川区議会公明党が、一人会派をはじめとする少数会派に対する、差別と弾圧そのものである。
 一人会派の議員は、予算特別委員会と決算特別委員会に出席させない。一人会派の議員は、年間の質問時間が、たった20分だけである。交渉会派の人数を4名から下げようとせず、少数会派の議員を、議会運営に関して中枢的な会議となる議会運営理事者会議に出席させない。
 何よりも議員全員の合意を取り付けて議会運営するという努力よりも、何でも多数決で押し切って、議会運営をしてしまう根底に流れる、数の暴力に対する鈍感さ。いや、積極的に数の暴力を肯定してしまう罪がそこにある。


 この様にたった一人の権利について、思い至らない自民党と公明党の議員たちが、“人権”について語るとしたら、それがどれだけ滑稽で、茶番であるか、多くの有権者にはおわかりいただけるだろう。
 議会における、議員個人が質問できる権利、会議に出席できる権利等、これらは固有のモノだと考えるが、江戸川区議会の自民党と公明党は、議会人として自殺的行為とも言える、少数議員に対する弾圧を加え続け、未だに一人会派の議員をはじめとする多くの少数会派の議員に対して差別を続けている。


 これでは、江戸川区議会における民主主義は、成熟していくはずがないというのが、私の見解であり、江戸川区議会自民党と江戸川区議会公明党は、猛省しなければならない。


2011年06月26日