田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

愛媛県新居浜市、25歳、男性、石川さんの意見に反論する。

http://www.t-ken.jp/voice_detail/1334597999/


シカを避けようと… 対向車と衝突、2人死亡
2012.4.14 14:08 [交通事故] 産経ニュースより
 13日午後10時40分ごろ、北海道根室市湖南の国道44号で東京都世田谷区の男子大学生(19)の乗用車が対向車線にはみ出し、北海道浜中町の矢越哲さん(62)の軽乗用車に衝突した。矢越さんと妻、正子さん(60)がともに全身を強く打ち、死亡。大学生は軽傷を負った。


 根室署によると、大学生はシカを避けようとしてハンドルを切り、対向の矢越さんの軽乗用車に衝突したとみられる。現場は片側1車線の直線道路。
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http://www.t-ken.jp/diary/20101105/
http://www.t-ken.jp/diary/20120115/


 私はこれまで、二度、軽自動者の優遇税制を廃止せよと、日記の中で訴えてきた。
 それに対して、石川さんから強烈な反論をいただいた。
 反論をいただくことはありがたいことだ。自説を批判的に自己検証し、鍛造の如く強固にするためにも、必要な過程だろうと認める。


 さて、今回紹介した、北海道のニュースをご覧いただきたい。
 同じ事故でも、乗用車に乗っていた大学生は軽傷で済み、軽自動車に乗っていたご夫婦はお亡くなりになった。
 私の日記でも、別の文脈で取り上げた祇園暴走車事件の被疑者も、軽自動車に乗っていた。もし乗用車に乗っていたのならば、少なくとも本人だけは助かったかも知れない。
 それに、スバルのアイサイトのような衝突防止システムが、義務づけられていれば、尚更、祇園暴走車を運転していた彼は、助かっていただろう。
http://www.t-ken.jp/diary/20101207/


 軽自動車が経済的だから、軽自動車の優遇税制を止めるべきではないという、石川さんような主張は、わからないでもない。
 しかし、私はそれに納得しない。同意しない。


 まず経済的な問題で言えば、わざわざ軽自動車の新車を買う方が贅沢である。乗用車の中古車など、5~20万円でも出せば買えるわけだし、新車よりもよっぽどお買い得だ。お金が無ければ、中古車を選べば良い。
 一般に、軽自動車は、優遇税制故に、中古市場でもそれほど安くはならない。中古の1300㏄あたりの乗用車を買い求めることをお薦めする。
 少なくとも、「金が無い」と自称する人は、軽自動車の新車を買うべきではなかろう。新車を買っている時点で、その人には金があるのだから。


 あと地方在住者にとっては、車が移動手段としての生活必需品というならば、多少コストがかかっても、それは必需品であるが故に、購入することになる。逆にコストがかかるから購入しないとすれば、それは必需品ではなかったという証明にもなる。
 つまり、お金があろうがなかろうが、生活に必要だと思う人は、必需品故に車を買うのだ。交通難民になど、そう簡単にはならない。


 それにも関わらず、何が何でも軽自動車に乗ろうという人は、自分の命を種銭にして、日々ギャンブルをしている「愚か者」と言えないだろうか。もちろん、これは言いすぎかも知れないが、本人の意志によって車種選定をしているように見えても、実は税制誘導によって、国の方針として、「選ばされている」結果が、この日本における軽自動車の増大につながっている。よって、一義的な責任は、「走る棺桶」こと、軽自動車を放置している政府にあるのであって、所有者は二義的責任を負わされている。その結果が、運転手の死亡事故へとつながっていくのだ。


 反車社会を主張する人たちからは、「車に乗ること自体が危険なこと」との声も聞こえてきそうだが、同じ車に乗るにしても、1万円をかけるギャンブルと1億円をかけるギャンブルとでは、その性格が違うように、乗用車に乗る危険性と軽自動車に乗る危険性を同一視できない。同じ危険ならば、なるべく危険が少なくなる方を選択するのが、人間の知恵だ。


 私は長らく禁煙運動に携わって、どんなに身体に悪いとわかっていながらも、そこに屁理屈を付けて、タバコを止めようとしない、多くの人間を見てきた。人は自分の意志で行動しているように見えて、実は意志以外の作用で、動かされていることを、当の本人は知らない。

 軽自動車を選んで乗っている人たちもまた、「選ばされた人」であって、軽自動車がどれだけ運転手や同乗者の人命を軽視した乗り物かを冷静に考えれば、本来、経済的メリットを与えて、より多くの日本人を乗せてはいけない車なのだ。
 意志とは、この場合、「乗らない」という選択にこそ、その英断を求めることであって、「乗る」という意志は、経済的メリットに目を奪われて、それこそ物事の本質が見えていない証拠である。


 「へぼ将棋王より飛車を可愛がり」

 あなたは何が一番大切だと思いますか。
 小銭ですか。命ですか。
 わかりきった正解であっても、現場で人はそれを選択しない。


 私は、軽自動車を作るな、とは言わない。軽自動車のような小さな車を好む人はいるだろうし、それは世に、オールドMINIと言われるような、軽自動車よりも小さい昔の車を大切に乗っているマニアの存在を知っているからだ。しかし、それは趣味の範疇であって、生活必需品としての車のあり方ではない。


 最後に私は石川さんに言いたい。


 もし石川さんが、オールドMINIのような趣味的な軽自動車に乗っているわけでなければ、一刻も早く、軽自動車を降りるべきです。お金が無くても、小型の乗用車に乗り換えられることです。自分の命を危険にさらしながら、小銭を浮かせるため、日々軽自動車を運転する危険性を、是非、賢明な意志によって、ご理解いただきたい。
 今の日本国政府は、日本人の命を大切に思わない。自分の命は、自分の意志で守るしかないのです。


2012年04月19日