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日刊田中けん
国防重視から、徴兵制を否定的に考える理由

 国防問題を考えたとき、どうやって兵士を集めるのか、その集め方についての議論は避けて通れない。その方法とは大別すると、徴兵制か志願制かである。


 よく軍事問題などに言及する政治家は徴兵制を志向し、軍縮や平和を唱える政治家は徴兵制に断固反対するようなステレオタイプのイメージがある。
 しかし、ここでは軍事専門家の立場から、徴兵制を否定しないまでも、そこにはデメリットや限界があるとの指摘があった。私にとっては新鮮な発想だったので、ここに紹介する。


 国防重視の立場であっても、徴兵制に否定的な理由
①冷戦構造が崩れて、大規模な正規戦が行われる可能性が低くなり、それほど多くの兵士を必要としなくなった。
②軍隊は高度化、専門化しており、短期間の徴兵制によって集められた若者たちが、一年程度でこの技術を習得することは不可能である。
③徴兵制によって集められた若者の中には、嫌々この制度に従っている者が多く、その士気は低く戦闘には向かない。
④若者を一定期間、軍隊という組織に拘束することによって、社会的な労働力は低下し、消費行動も減少する。これによる経済的な損失が大きい。
⑤徴兵制を維持するためのシステムには膨大な経費と人手が必要である。徴兵制による兵士の給与は安価で済んでも、コストパフォーマンスとして割が合わない。
⑥大量の兵士を維持するよりも、その費用があれば、高度な武器を購入して戦った方が戦闘力は高い。
⑦一部の保守系識者が「若者たちを徴兵して根性をたたき直せ」などと言ったりするが、軍隊は若者たちの再教育機関ではない。使い物にならない若者を大勢送り込まれても、軍隊の機能は低下し、国防という責任を全うできない。


参考図書:清谷信一「専守防衛」祥伝社新書


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2010年08月28日 00時00分